論点またはイシューを立てることはコンサルにとっていの一番に大事なことであるにもかかわらず多くの入ったばかりの中途社員はわかった気になってほとんど考えていなかったりします。考えないことがどれだけ罪なことかもわかっていないし、誤った形で理解していたりして、その結果は散々なものでたくさん無駄なことをするし、まずもってチームメンバーとの会話が成り立たちません。論点の答えがアウトプットとしてスライドにまとまるわけなのですが、まともな資料もできるわけがなく、よってこの人イマイチとなってしまいます。残念な結果となりますので早く克服しましょう。
論点を立てないは大問題
論点がわかっていない社員はひとまず情報を調べて、調べたことを雑に並べて何もアウトプットでき状態がい多いです。例えばコメダ珈琲の戦略は?と論点を渡されて、いろいろ調べたはよいが、コーヒーが安いですとか居心地が良いですとか、コーヒーは店ではなく工場で淹れてますとか調べた結果だけ報告する。「で戦略は?」と詰められる。これはどうやって「どうやって店舗あたりの売り上げを拡大しているか」とか「店舗数を拡大しているか」とか「どうやって儲けているか?」といった論点を立てないからです(ちなみにこの論点でもいまいち)。
- 店舗当たり売上:居心地よく広く作ることで全方位のセグメントを獲得し老人のモーニング、主婦の社交場、学生の勉強場、サラリーマンの商談場など全方位の顧客層に対応することで朝から晩まで客が入り稼働率が上がる
- 店舗数拡大:定額ロイヤルティ(Not売り上げ連動)にすることで加盟店のメリットを出しオーナーを集めやすくしている(ただし前出のパンとコーヒー売り付けで儲けてる)
- 儲け:自社工場のパンやコーヒーを安く作り加盟店に買わせてロイヤルティではない収益を稼ぐ
入ったばかりの多くの社員は論点を理解しない、論点がないままハイハイといい子になって仕事を始めてしまう。これは全然いい子ではなく問題児でして、本来自分から論点を確認しに行く姿勢があるべき姿です。
主な傾向として
- 理解しないままハイと答え仕事を始めてしまう
- これまで事業会社で上司の言うことを聞いてきたせいもあるのか、案外なんでも言われたことをわかっていないまま始めがち
- 結局報告時にその次に「わかったと言っていたのになんでわかってないの?」の詰めにつながることになります
- わからないことを質問しない
- 馬鹿なんじゃないかと思われるのが怖くて聞けない
- 妙なプライドがあってわかった気になっている
簡単な解決策として。自分から論点の理解を述べて、あっているか確認しましょう。あっていればラッキーだし、あっていなくても方向性がすり合わせられて仕事がやりやすくなる。
なんで論点が大事なのか
戦略コンサルの世界にいると論点整理なんて当たり前すぎて、いまさらなんで大事かと問われると答えるのも難しい。
強いて言えば、お客さんから相談をうけた課題を0から100まで調べても無駄が多い。というか終わらない。そのため何が大事かをはじめに「論点」として整理して、それに取り掛かることで最短距離で最大限の効果を目指す。
論点設定はGoal設定に近い。何が大事かという論点をより筋の良いものにできると成果は高いので最初の論点設定はとても大事です。なんか当たり前のように聞こえないだろうか?以外にもやらない人も多いのだ(私もそうだった)
論点を立てないというのはGoalを設定しないこと。論点はテストの設問と同じ。論点を理解しないということはテスト問題を読まずに回答することと同義。だから0点です。
論点を立てることは難しいことではない、むしろ当たり前にやっている
実は誰でも論点は立てているし論点は世の中にあふれています。
- 転職するならどこがよいか?
- 恋人との次の旅行はどこがよいか?
- 自分はどうすれば出世するのか?
これは全部論点だ。小学生でも親からどうやってスマホを買ってもらうか?と論点を立てている。なぜか?自分にとって大事なことだし正解すれば幸せになれるからです。
いろんな説明の仕方があるが論点は解ければすっきりする大事な問題設定をすることです。
クライアントの課題や悩みを解決したければクライアントの幸せを願って「これが解ければお客さんはすっきりするはずだ」という論点を立てるのです。
かまぼこメーカーの売り上げUPをお願いされているのであれば、
- ねりもの市場の全体の推移はどうなっているのか?
- その中でかまぼこ市場は伸びているのか?
- 増減の理由は何か?もあるだろうし、
- お客さんのかまぼこへのニーズは何か?
- 競合はどういう攻め方をしているか?
という論点も出てくるでしょう。でもそれだけで売り上げはUPしないから
- どんな売り方(チャネル)が効果的か(スーパーなのかECなのか等)
といった論点も出てくる。それでもお客が何すればよいかを解決されるわけではないので、
- 総合的に考えて商品開発、販売面でどんな打ち手が必要か。
- それって今のお客さんの能力でやれるのか?
- それをやるためにまず最初に何をしなければならないか?
といったところまで出して、ここまで解ければお客様もだいぶすっきりするだろうと考える。例えば最後の「やるために最初に何をしなければいけないか?」という論点が抜けているともしかするとクライアントにとっては「なんとなく聞こえはいいけど何すればいいの?」とせっかくの打ち手が空論に思われてしまうかもしれない。だから最初に論点を立てることは大事なのです。
上記のような整理や論点を理解しないで上司からいきなり市場調べてと言われて
はいはいと答えてタスクとして調べるので、だいたい「かまぼこ市場は減ってます」と言って「馬鹿か?」と詰められて終わります。本来は「若者のねりものばなれで減ってます、でも全体は減っているが、ECは伸びてます」、とか「老人向けトクホだけは伸びてます」などと建設的なことをいうべきです。何が大事かもわからずに気の利かない情報を報告してイマイチな感じになるケースが多いので気をつけましょう。
まとめ
論点設定はGoal設定と同じ、なければGoalできない。論点設定は自分のためでもあります。一度設定されればあとは解くだけです。最短距離で仕事を終わらせるためのものすごくありがたいツールであることを理解しましょう。無駄が減ります。
論点がないということはお客さんが幸せになるための問題を解いていないので当然お客様は幸せにならない。そのためいつまでたっても終わらない。
論点に関する考察はいろんな本が出ていますので読むことをお勧めします。本であればべたではあるが「イシューから始めよ」あたりがよいと思います。ファーム内にも死ぬほど詳しい人がいるはずなのでぜひ質問していろいろ教えてもらうといいでしょう、案外みんな論点の議論は好きですよ。
以上